振り返りやら要点やら。
テーマ
釣りをやったことがない人間に対して釣りの面白みやら醍醐味やら注意点やら、当日を満喫するため、今後やっていくことを踏まえて得てほしい諸々を与える。
単純にめんどくさいところは削りまくる。
「魚を釣った」「やり切った」を体験してもらう。
対象の見極め
大前提として、ガチるのかガチらないのか、モチベーションを確認しておく必要がある。
雑に言えば磯に行くか堤防に行くかという択になり、ガチなら磯になる。
「やってる感」を充実させるなら間違いなく磯になる。
汚れたくない、疲れたくない、でも釣りをやってみたいという人には堤防。安全性も爆上がりするけど、釣果は少ないし人がごった返しがちだしで不完全燃焼になりやすい面がある。というか、小綺麗にやっていきたいなら管理釣り場に行くのがいい。ぶっちゃけそもそも行き先は江ノ島じゃない。
何で江ノ島か
都内から電車でのアクセスがいい。駅からそんなに遠くない。釣餌店もある。全員が手ぶらでも何とかなるくらい整ってる。釣座が多い。堤防、サーフ、磯、汽水域を網羅してる。
大物狙いには不向きだけど、体験を得るための場所として最適。
磯
単純に足場が不安定だし波をかぶることもあるし濡れるし、どんなに穏やかでも何かしらのリスクがある。その代わり魚種やサイズ(江ノ島基準)に恵まれてる。
足場が低いおかげで満潮時は水没しまくるので、濡れることを覚悟しなきゃいけないし荷物を濡らさない・流されない場所、潮が上がってきても低リスクで釣りを続行できるポイントを知らないとえらいことになる。
フカセと胴突があればボウズはまずない。
堤防
安全性がクソ高い、トイレが近い。だから人がごった返す。小さな子供連れの家族、脚の悪い方、エンジョイ勢などが群がるので間隔が狭くてオマツリのリスクがある。釣れる魚は基本的に小さい。良いポイントは入れない可能性が高い上、入ったところで磯よりもパフォーマンスは落ちる。
工事してるから釣座が減ってるので近年はキツいもんがある。
魚は小さいし、口の小さい魚がほとんどなので針を小さくしなきゃいけない。それでも打率は基本的に低い。
準備物
初心者には身の回りのものを準備してもらい、引率者はそれ以外をすべてカバーする。
- 撥水性、速乾性のある服(上下)
- 帽子
- 濡れてもいい、グリップの効く靴
- 汚していいタオル
- 日焼け止め
多分持ってるだろうってのはこの辺りか。
濡れる、汚れることは絶対だと念押ししておく。いちいち綺麗にしてると時間を持っていかれて釣りの時間が減る。汚れにくい格好と、後で洗えばいいという鋼のメンタルを持ってもらう。
厄介なのが靴で、一日濡れた靴を履きっぱなしだとテンションが下がる。寒いと冷えて心がやられる。肌が濡れてふやけると怪我になるリスクも上がる。推奨したいのは防水ソックス。最強は長靴(+スパイク)。
グローブもあればいいけど指ぬきになってて欲しいし、軍手みたいに編みまくってるやつは針が掛かると外すのが大変だし汁が染み込むと臭いしでどうなのだろうというところ。ネックは魚をつかむためなんで、都度付けるのでもいいけど。
事前知識の教育
色々あるけど一気に詰め込むとしんどいのでそこは上手くやっていく。
天気
人の都合は天気の都合に負ける。なので、「この日に行きたい」は必ず叶えられるわけじゃない。雨だけでなく風、波によって無理なこともあるよというね。
釣座
人気な釣座は当然激戦区なわけで、早いもの勝ちなので、楽しみたかったら早起きしなきゃいけない。なので、始発から行く。早朝から爆釣はほぼないのだけど、場所取りは欠かせないので行くしかない。それでも車で行かない限りは現地民にどうしても負ける。
トイレ
磯にトイレはない。前日に腹を下すようなものを食べるのもリスクだし、食べすぎてるとウンコを呼ぶので危険。入る前にトイレに行く。大も小も出し切っておく。それでも催すことはあるし、磯歩きは地味に時間がかかるんでやばいと思ったら早めに行く。
予めトイレの場所をチェックしておく。
店関係
江ノ島に入ったら、雑に言って自販機と飯屋と土産物屋しかないわけで。駅前のコンビニが最後の砦になるので必要なものはそこまでに揃える。
釣果
釣れたら嬉しいのだけど、それをどうするか。逃がすなら逃がす、持ってかえって食べるなら殺す。バケツに入れてると弱って死ぬので活かしたいなら都合のいいタイドプールのあるところかスカリが必要になる。エアポンプがあれば、とも思うけど江ノ島でそこまでやるのもね。どうなんでしょ。
で、持って帰るなら締めたり血抜きしたりが必要だし、冬場でもなければ冷やせないと危ない。手際が要求されるので代理でやってもいいけど仕込んで自分でやってもらうのがいいかも。
生き慣れた場所の引率ならアベレージも分かるわけで、木っ端は逃がすわけだけど、知らないで釣ったら、そもそも初心者ならテンション上がるし、小さくても最初の1匹は記念に持って帰っちゃえばいいとも思う。
風対策、鳥対策
ちょっとしたものならカバンから出しっぱなしにしがちだけど風でぶっ飛ばされることは普通にあるんでちゃんと片付ける、よく使うなら持っておくとか出しやすいところに収納する。
食べ物目当てかいたずらか分かんないけど、カラスにカバンを漁られることは普通にあるんできっちり仕舞う。釣果を出しっぱなしにするとひょんなことからカラスやらトンビにかっ攫われるので手早く処理する。トンビは食べ物をひったくっていくので気をつける。など。
釣りのサポートについて
全力でお世話する。そうしないと危ないし、楽しめないし。独学で知見を得まくった手前、普通の人よりも悲しみを背負いまくってる。死んで覚えるのもいいけど予防できるならやっておくに越したことはない。
心に山本五十六をインストールする
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
初心者が釣りを一人で満足にできるようになるように持っていくことが引率者のテーマだと思うわけです。
初心者がいきなりちゃんとできるわけないんですよ。自分だってそうだったんですよ。楽しんでもらうことを優先できないなら引率しちゃいけない。どうせデモンストレーションは必要なんだから、自分もどっかで釣りはできる。今日はそういう日なのだと割り切る。大事。
釣りは同じところに通ってるとテンプレ化してマンネリ化することもあるわけで、新鮮味があっていいですよ。
竿は一人一本
賄えるならそれぞれにタックルを用意する。だけど、初心者は扱いがおぼつかないのでいきなり全員に配ることはしない。2~3人に1本くらいで使いまわしてもらう。慣れた人間からすれば手返しが絶望的に遅いので、釣る人と餌を付ける人でタッグを組んでもらうのがいい。たまに交代してもらって。眼前で同レベルがやってるのを見ることで、こうしたらいいかもを気づけたりする。
しっかりやってれば3時間位で一応目を話していても自分で全部こなせるようになる。慣れてきたら各々にやってもらう感じ。
結束はこっちがやる
タックルの組み立てはやってもらっていいのだけど、糸を結ぶのに関してはこちらがやる。絶対に。結び方なんて知らないだろうし、教えても慣れるまでが大変。釣りにハマったら宿題にするくらいで。
根掛かりの注意と対策
根掛かりすると全てが台無しになる。仕掛けの回収時に足元に引っ掛けないだとか、仕掛けを変なところに投げないだとか、やって見せる。それでも扱いに慣れなきゃ引っ掛けちゃうので、そのときはすぐに代わって外す。勝手にやらせても悪化したり竿を折ったり、リスクが高い。
エサはオキアミ
ムシ餌は嫌がる人がいるのと、動いてるから使いにくいのと、保管に微妙に難がある。オキアミだとブロックで買えば安いし多いし、江ノ島の魚はオキアミ慣れしまくってるので都合がいい。
常に目をはなさない
よくあるのが巻きすぎ。ウキまで巻き込むと竿を折る。
竿を足元において餌をつけるのも極力止める。傷つくし、踏んだらアレだし、糸が岩場に引っかかってもアレだし。竿を持ったまま扱うだとか、竿立てを用意するだとか、準備と教育が大事。
仕掛けが絡んだときの対処は自分で解消させるのが一番なんだけど、時間がめっちゃ掛かる感じだったら組み直しも普通に視野。悪化してもなんだし。
片付けもこっちがやる
準備と片づけを含めて釣りだけど、特に片付けはやりきってる場合が多いので、疲れてるだろうで時短を優先。
大したことない荷物でも自分たちの世話で地味に時間がかかるんで、基本的にそっちを優先してもらって、道具を洗うのとか全部自分でやる。一応、どういうことをするかは見せて雰囲気を覚えてもらえたらという感じ。手伝ってくれるならお願いしてもいい。
振り出し竿は片付けも竿を折るリスクがある。教えながら片付けさせても良いんだけどガイドが固着してるようなら代わる。
釣法の選択
個人的にフカセと胴突が最適解。釣れるし、暇しない。
フカセ
竿を振って仕掛けを投げるのは釣りをやってる感がすごく出るので楽しい。コマセを使うので魚を集めやすい。仕掛けの調整ができる、投入ポイントを変えられるから釣果を出しやすい。
コマセがあると他の仕掛けにも都合がいいし、魚が寄って来るのを見るのも楽しい。
初心者にガチの磯竿はきついんで、4mくらいの長さがいい。
胴突
足元狙いになるので基本的に掛かるのはベラになるけど、ガシラ、カワハギ等五目釣りできる。アタリが手元に来るのでウキ釣りにない楽しさがある。単体で使ってもいいし、フカセのコマセで呼んでもいい。
足場の安全面と根掛かり対策に3~4mくらいの竿が良い。磯竿とか柔らかめの竿だと曲がりやすすぎて、掛かった魚に潜られやすくてちょっとしんどいのでルアーロッドとかのほうが向いてる。オモリは6号あれば十分なので竿の強度はそれを基準に。
釣行スケジュール
三日前くらいに判断
雨、風、波、あとは釣り場やら店やら交通手段のことをチェックして、問題なくいけることを確認する。天気は変わりやすいので自分の都合を優先するのは結構キツい。多少の荒れはそれはそれで楽しいのだけど、引率だし。自己責任で済まないのでちゃんとする、冒険しない。明らかに判断できるコンディションならいいのだけど、怪しいときは前日までずっと怪しかったりする。ケースバイケースだから前例はあまりあてにならないというか。注意する。
二連休の初日に行く
インドア派だとかデスクワークの人間はびっくりするくらい体力がないし身体が鈍ってる。
アホほど早起きして日中ずっと立ちっぱなしなわけで、その時は釣りでテンション上がってて分かりにくいけど疲労がめっちゃ蓄積される。数メートルの棒を振り回し続けてるので筋肉も酷使する。翌日はリカバリのために身体が終わるので休息日にすべき。仕事をこなせるコンディションじゃない。
暦通りであれば土曜日に行って、日曜日は休む。
当日
電車の場合は江ノ島駅よりも江ノ島に近い、片瀬江ノ島駅に着くようにルートを組んで移動。
駅前にはローソンとファミリーマートがあるので飲み物やら食べ物やら氷を買う(氷は釣餌店でも買える)。島に入ったら釣餌店で餌を買う。事前にオキアミの解凍をお願いしておくと楽。
表磯に向かう。釜の口→水道口→ウノクソ→長磯で入れるところを探す。楽なのは釜の口、満喫しやすいのは長磯(個人的見解)。
基本的に9~12時がアツいので、それまでに竿の扱いをレクチャーする。持ち方だとか投げ方だとかベールの開閉だとか。慣れると忘れがちだけど、地味にやってることは多いのでいきなりやってみせろは結構キツい。コマセを打つのもね。
釣った魚の締め方も見せて教えてやらせる。ここが釣りの醍醐味だと思う。生き物が食材に変わる瞬間。あと、死んだ魚より殺した魚の方が美味しい。
ドはまりすると時間が爆速で過ぎるので昼飯は考えなくてもいい。買ってきたものを食べるくらいで足りる。とはいえ潮止まりとか体力の問題があるので、昼が一旦の区切りになる。元気そうだったら続けてもいいし、堤防に移動してみても良い。
片付けの際は分別をちゃんとする。弁天橋手前のトイレのところにゴミ箱があるので全部捨てられるので横着せずにちゃんとまとめて捨てる。
帰りがけにトイレで手を洗う。石鹸は個人的にウタマロ推奨、しっかり洗う。
そんな感じ。
その他
写真を撮るのは流石に素人が展開するサービスとしてはやり過ぎなので、余力があればでいいんじゃないかと。自分が撮らなくても各々撮るだろうし、そこまで重要じゃない。とはいえ、初フィッシュとか良型を掛けたときとかは詐欺写真でもって良いのを撮ってあげたい。素人だけど。
食べ方は、最低でも内臓を抜いて鱗を落としてしまえば、煮るか焼くかすれば食える。食べることありきで釣るならその案内をしてもいい。
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