「魚を釣る」が焦点。
アウトプットの必要性
今更だけど言語化することはとても重要な行為で、言語化できると型にはめやすいし道理を構築できるので修正することも楽になる。極論間違っててもよくて、具体的になってるからこそ何を正せばいいかが見えてくる。また掘り下げることができるので発展性があり、逆に要約すれば必要最低限も見えてくる。釣ってる最中もそうだし、釣りに行ってないときにこれをやっておけば「次はこうしよう」っていう選択肢が増えてマンネリ化を回避できるし色々実行すればデータの蓄積ができるんで、一見ダメじゃんこれって状況でも突破できる手がかりになったりする。
前提
「何でもいいから魚を釣りたい」に応える内容。対象魚を限定した場合はボウズに終わることもあるけど、「魚を釣る」を目標にした場合はかなり有効じゃないのって思うくらいにはいい感じに実績がある。強いて言うならグレ(メジナ)を釣るための方法ではある。
有効性
体感的に、このフォーマットから外れると釣果は結構下がる。反面、崩さないと大物とか変わり種を狙ったりするのが難しいって面もある。
同じことを繰り返してもマンネリなので色々やってみるんだけどさっぱりダメなとき、鬱憤を晴らすためにこれでとりあえず釣る、をたまにやる。
何で江ノ島か
都内在住で移動手段が電車なので、フカセ釣りがしたいなら江ノ島。大体の都内の釣り公園に行くのとどっこいの移動時間、運賃で行ける。場所によってはむしろ早くて安いまである。
ネガキャンになるけど都内の釣り公園は嫌いというか苦手というかで、電車からバスとかの乗り継ぎがめんどいのと、設備が整ってるお陰でファミリーで楽しみやすいから人が一杯で窮屈なのと、コマセがNGな場所が多いのと、東京湾奥オカッパリの釣果はなんか食べる気がしないのと、そんな感じ。
タックル・仕掛け
- 磯竿:1.5号くらい、4m以上
- リール:c3000くらい、ハイギア以上推奨
- 道糸:ナイロン2号くらい、見やすい色だと便利
- ハリス:フロロ2号くらい、道糸と同じかちょっと下げる
- ウキ:中通しウキ0号、ピースマスターがお勧め
- ガン玉:なくてもいい、G7、G8あたりがあると便利
- 釣り針:めっちゃ小さいやつ
磯竿について
江ノ島の魚は基本小さいんで強度を求めなくてもいい感じ、取り回しが楽なら何でもいい。フカセにおいてはそんなに遠投しないんで、磯竿に慣れてないなら4mくらいでもいい。リバティクラブ磯風みたいな一般的な竿、エントリーっぽい感じの竿はお手頃だけど重いんで筋力がないとめんどくさいかも。長い割に片手で扱うんで軽いのを選んでもらいたい。初めて選ぶ人にはボーダレスBB420M-Tを勧めたいけど、ハマるかどうかもわからないのにこの値段はちょっときついかもしれない。
リールについて
c3000が個人的に丁度いい。個人的なところではハイギア以上が必須要件で、なんでかっていうとノーマルギアよりハイギアのほうが少ない回転数でたくさん巻き取れるんで、仕掛けの回収を時短できる。フカセは手返しの釣りなので、流せば流すほど巻き取る量は増えるんで、回収に時間を掛けるのはもったいないと思う。釣りを始めたいって人はセドナc3000HGあたりを選べばいいんじゃないでしょうか。
道糸・ハリスについて
個人的に道糸は3号を基準に選んでるけど、2号でいい感じ。ハリスは「江ノ島でグレ釣りなら1号要らない」という話があって、0.8号とかだと確かに掛けやすいんだけど、アワセが苦手な人とかフグが多いときとかに飲まれて噛み切られるリスクがかなり高くなるんで低くても1.5号はあったほうが安心だと思う。
結束は直結でもいいけど、スイベルを使うと糸のネジレがマシになるんでお勧め。
ウキ・ガン玉について
仕掛けの構成は後述するけどそんなにウキ下を長く取らないので0号でやっていける。潮が強すぎる場合は重めのウキで組めばある程度流れに抗えるんで、そういったときの選択肢で3Bとかを持っててもいいかなって感じ。
0号でもガン玉はあった方がよくて、何でかって言うとウキの余浮力を殺すため。魚に軽く触られてもウキが反応できるように、仕掛けを入れたときにウキが沈まないギリギリの調整ができるとそれだけでかなり変わったりする。潮の状況によっては揉まれて沈んじゃうことがあるので、「必ずこのガン玉をつける」わけではなくケースバイケースになる。ガンガン食ってくるような魚の活性が高い場合も繊細さは別に要らないのでガン玉を付ける必要はないかな、とか。そんな感じ。ガン玉を付けるときはウキの近くでいい。サルカンの下とか。個人的には釣り針寄りにしがちで、調整ついでに仕掛けもさっさと沈められたらいいかなって。でもまあウキ寄りにしておくのが安全かもしれない。
例えば、ピースマスター0号にヨーヅリのG7前後。ウキと錘はメーカーを決めて使ってる。ウキの余浮力は当然ながら、ガン玉の重さも同じ号数でもメーカーによって結構マチマチらしくって、数だけで覚えていてもどうなのよって感じらしい。
釣り針について
江ノ島のフカセにおいて、針は小さい方がいい。良型のグレであっても針のサイズアップはあまり要らないかなって感じ。そもそものところグレの口はそんなに大きくないので食べやすいサイズにしておくのが安牌。針のサイズが小さいと強度も落ちるんだけど、江ノ島のポテンシャル的に気にするところじゃないかなって。
大きい針でもいいんだけど釣れないときはマジで釣れなくなる。餌ばっかり取られることもよくある。というのは寄ってくる魚の口が小さいからで、丸呑みにできないから齧るしかない。運が良ければ針先を咥えるから掛かる、って感じに。どうせ食われるなら釣りたいよねって気持ちがあるなら小さくしたほうがいい。推奨するサイズはマジで小さいので釣具屋にあんまり置いてない。淡水コーナーのほうが選択肢あるんじゃないのってくらいの小ささ。瞬貫グレの4号とかお勧め。
釣り針の返しについてなんだけど、返しのないバーブレスのやつがあればそれがお勧め。食いがどうのというよりは外しやすさの話。掛かる魚にエラ洗いとかアグレッシブな動きは無いので、掛けたらしっかり糸を張ってさえいれば外れることはまず無い。取り込み時はちょっと怖いけど、それでも割りかし平気な範疇だと思う。
結束は外掛け結び。針が小さいので糸が太いと結びにくい。というかそもそも結びにくい。練習した方がいいです。
仕掛けの構成について
固定ウキでウキ下は1~1.5ヒロ。ここで守りたいのは「固定ウキ」という点。仕掛けを引っ張られたら必ずウキが反応することを優先したい。半誘導とか全誘導は完全固定に比べてウキが反応するための条件が出てくるんで、気にするところじゃないかもしれないけど、個人的な精神衛生的な面から、固定を推奨。
余談として、自分は極力固定ウキで組んで、底狙いとかでウキ下が長すぎて扱いづらい場合のみ半誘導にしてる。
コマセ
グレパワーV9があれば十分。江ノ島の魚はV9に慣れてるんで何かしらの狙いでもなければV9を使えば済む。江ノ島の釣りえさ店で売ってるから現地調達できて楽。個人的には必ずオキアミを混ぜる。挿し餌がオキアミだからコマセにもオキアミを混ぜたほうが違和感ないよねって理屈。
1袋あれば半日ギリギリ足りる感じ、2袋あればしっかり遊べる。3袋あれば疲れるまで遊べる。複数使うなら違うのを混ぜるのもあり。
ポイント
裏磯
裏磯のフカセはクッツキバカに乗れなかったら詰みだと思ってる。次点でクッツキバカ寄りの南側。ルアーやら観光客やらなんやかんやが多くて危ないし、邪魔だし、民度が割と低い感じがするので、人と戦える強い意志がない限りは行かないほうがいい。表磯と比べて収容人数は少ないので運命力が試される。癒やしはほぼないと思ったほうがいい。それでもワンチャン青物を掛けたりできるのでロマンはある。
しかしまあ、行くのがとんでもなくめんどくさい。経路に釣りえさ店がないので行って来いが発生するし、登山だし。
表磯
釜ノ口と水道口の間が近くて楽なんだけど、当然ながら人がよく入るんであんまり好きじゃない。アクセスが良すぎると釣り以外の人も多いから危なかったりする。ただ、多少海が荒れてても割と戦える場所ではあるからお勧め。水道口側に立てば潮もそんなに被らないし。
ベストプレイスは長磯。ワンドの奥はあんまり魚が入らないので南側を選ぶのが安牌。先端の島に近い辺りがいいんだけど、満潮とかで水位が高いと濡れやすいのが難点。荷物は手前の小高いところに置くか、先端の島に置くのが無難。釣り場に置いておくと濡れたり流されたりのリスクがある。ピトンを立てておくと安心感がだいぶ変わる。東向きに立って釣る。西側はイマイチな感じ。行けば分かるけどみんな同じ方向向いてやってる。
長磯は表磯の一番奥なんで、行ったら埋まってましたっていうのが一番きつい。水道口辺りから視野に入るんで人の入りを確認して行くかどうか決めるのがいいです。
実釣
やることはどのポイントでも変わらない。
- コマセを打つ
- 仕掛けを入れる
- 仕掛けを張る
- コマセを打つ
個人的に、3番が一番大事。狙いは「仕掛けを張ったまま沈める」ことで、仕掛けが張ってれば立つまでに魚に食われてもアタリが出る理屈。例えば、サシエサとウキを同じところに入れるとウキ~釣り針間がたわむことになるんで、仕掛けが張るまでに魚に食われてもウキは反応しない。
だから、仕掛けを投げ込んだらすぐに竿を立てるなり糸を巻くなりしてウキ下が真っ直ぐになるように調整する。張った状態で針が沈めば弧を描く感じで張りっぱなしでタナまで落ちていくよねって。
ここで気にしたいのは潮の向き。潮上にウキ、潮下に針が来るようにする。逆だと潮の流れでウキに針が追いついてたわんでしまう。無理っぽいなら、最低限向きが逆にならないことだけは気をつける。潮の流れがよくわからないならコマセを打って確認したり、確認のために一度仕掛けを入れてみたりする。通ってれば何となく分かるようになる。
コマセを打つタイミングについては、仕掛け投入の前後のどっちでもいいっちゃいい。両方でもいいけど片方で割と足りる。コマセを打ったときに魚影が分かるくらいの活性なら先にコマセを打って、魚が見えるタイミングに合わせて仕掛けを入れる。時間差で数発打てば効いてる時間も長くなるんで、仕掛けがタナに届く時間を稼げる。コマセを打ってから魚が寄ってくる時間は割りかし一定なんで、コマセ投入→魚が湧く時間をカウントして、仕掛けが立つ時間とすり合わせたら効率が出せる。仕掛け回収時にコマセを打っておけば足止めになるんで、効いてる間に餌を付けて投入して即掛ける的なことも狙える。
コマセは仕掛けより潮上に打つ。仕掛けより早く流れるから被るように投入したほうがいいよねって。当然ながらタナに到達しないと効かないわけで、コマセが効くまでは時間がかかるんで、潮が止まってない限りは投入位置と効く位置はずれる。時間とか位置とか気にかけてると「こうしたらいいんじゃない?」が思いついて楽しい。コマセを打つ→魚が見える→仕掛けを入れるでやっていくとコスパがいい。仕掛けを後入れする場合は釣り針が魚群を通過するように潮上から入れるといいかも。ピンポイントで投げ込むと仕掛けが馴染んだ頃にはポイントからずれることもある。
個人的にはコマセは後打ちがメイン。仕掛けがタナに届いた・届く状態からスタートしたい。これは悪癖のところもあって、底狙いだとか流れが荒れがちなときにコマセ先行だと散らかりまくって用事にならない事があった影響。
ちなみに、挿し餌のサイズは針がちょうど収まる程度にしておく。オキアミの尻尾とか頭とか、なんなら胴体もちぎる。針を通して余った部分を残しておくと、そこから齧られて引っこ抜かれる事が多い。丁度針ごと食べられるようなイメージ。
要するに
- 仕掛けを張った状態で投入
- 仕掛けと同調する感じでコマセを打つorコマセと同調する感じで仕掛けを入れる
これができたら釣れる。ほぼ釣れる。それをどうやっていくかはその日その時に合わせて調整。
効率化を求める
運以外で釣果を出すのは試行回数とそのバリエーション。
試行回数を増やす
色んなことを試して探っていって、その時のそのポイントの最適解を探るのが釣果への道なんで、試行回数は多いほどいい。
餌がついてなかったら釣れるはずはない(金針ならイワシがたまに釣れるけど)ので、「○分(○秒)流したら餌が取られる」を探る。余浮力を殺してても居食いはかなりえげつないし、海面の揺れでアタリが分からないで取られてたってことも珍しくないので、安易に長時間流すことはしない。ローテーションの間隔を短くすれば試行回数を稼げるんで、餌が取られる時間を気にするのは結構有効。
コマセは打ちすぎない
他所は知らないし、チヌ釣りとは違う考え方になるんだけど、コマセを打っても魚影が見えないなら居ないってことになる。基本的に居付きよりも回遊してるやつらばっかりなんで、いくら打っても居なければ寄ってくるはずがない。グレはめちゃくちゃ分かりやすいんで、コマセを打っても出てこないなら時間帯が違うor場所が悪いってことで、ひたすら粘ってもどうなのよって感じ。
無駄にコマセを消費して、せっかく魚が来たときには足りてませんってなると悲しいし。
食いが恐ろしく渋くて長時間流すってことでもない限りは、2~3発も打てば十分足りる。パターンに入ったら1発で良かったりする。数回試しても何も起きなければ見切ったほうがいい。
ポイントを変える
根回りとか流れ込みとか潮目とかを狙うのが鉄板。江ノ島はセオリーから外れない感じがある。いきなりポイントにぶつけるとか、流していって被せるとか、アプローチは色々あるんでそれもどれが合ってるかを探ればいい感じ。
実体験でいうと、活性がよっぽど高くないと砂地にはなかなか出てこないんで根周りをベースに組み立てるのが安パイ。じゃあ根回りってどこだよって、偏光グラスを掛けないとわかりにくい。裸眼の場合は透明度が高い日じゃないとわからないけど、透明度が高いと魚はあんまり居ないのでどうなんでしょうね。
タナを変える※非推奨
これをやり始めると沼になる。根回りとかの深いところにいることがあるんで、コマセを打っても魚影は出てこないけどタナを深くしたら釣れた、ってケースがある。でもそれをやってると仕掛けの構成も変わるしコマセの配合も気になってくるしでめちゃくちゃテクニカルになってくる。
普通に釣りをする上では妥当な選択肢なんだけどね、フカセに慣れてくるまではあまりやらないほうがいいんじゃないかとかね。人に釣らせようと思ったときは、これは促さない。
釣れる時間帯の話
何回か通っててわかったけど、魚が釣れるタイミングは結構限られてる。フカセ釣りだと尚の事。時間帯にならないと団体様はおいでにならないのでどうしようもない。
通年、大体10~12時の間が熱い。誤差はあるけどこの辺りでやってたら、ポイントを間違えなきゃ釣れる。極論、朝早く行っても無駄なんだけど、早く行かないと釣り座を抑えられないので歯がゆいところではある。時間帯じゃなくてもミラクルは起きたりするのでこの限りではない。
午後は基本的にイマイチ。たまにずれ込むことがあるから一概には言えないけど。ただまあ、帰りとか体力を考えると遅くまではあんまり粘れない。朝行って午後イチに帰る感じにするのがいいかなーって。
考え方
その時その場所で釣れるパターンを探るゲームだと考える。もちろん、釣れない時間帯もある。釣れない間は暇だから、釣れないけどここならどうか、みたいに探るのもいい。釣果を求めるには効率化が大事で、ひたすらPDCAを回すみたいな感じになる。同じことを繰り返してそれがハマるまで待つよりは、こっちから合わせにいくのがよっぽど有意義だしゲームとして楽しめる。
江ノ島で釣りをしてる人を見ると、割とワンパターンな人が多いように感じる。練り上げた末のワンパターンもいるけど、そのケースは少数だし例外。今回の話もワンパターンっちゃワンパターンだけど、やるべき最低限は抑えてるつもり。「釣れなかったけど楽しかった」は自分にはなくて、やっぱり釣りに行ったら魚を釣りたいわけで。食べられる魚、良型の魚を狙うためのステップアップとして、取っ掛かりに丁度いいのはなんだろうなとか、上手くなるためにまず釣れるようになろうねっていうのはどっから初めたらいいんだろうねとか、江ノ島釣行を重ねてんだから、なんかしら見えたものはあるだろうっていう話。
とはいえ、このスキームだとかなり忙しい釣りになるのでまったりやりたい人には向かない。それに釣りに求めてるものは違うかもしれないので強要するもんじゃないと思う。正解不正解を問うものじゃなくて、絶対に何かしら釣りたいって気持ち、成功体験を得たい場合のひとつの解として挙げたいなっていうだけのことです。
長々書いたけど、実際に教えたらもっとシンプルに済ませられるっていうね。難しいね。
追記:読み返してみて
心がけてることとか何らズレたことは書いてないつもりだけど、しかし何でこうも長くなるのか。書こうって思いついたときはもっと単純なイメージがあったはずなのに。書き始めたら理屈とか道理とか詳細とか備考とかそのへんを入れておかないと分からんくなる、みたいなことで欲張るというか、実際のところ、むしろ減らして厳選してこれなのかもしれないとも。言葉を重ねるとむしろ分かりにくくなる面が出てくるようにも思うんだけど、言葉足らずと比べたら多いほうがマシじゃないのってところもあって。
実地であれば「こうすればいい」を実演してトレースさせたら済む。本当に早い。理屈とか道理は後追いで足りる。だけど単に記事にするとめっちゃ長くなる。噛み砕いて分かりやすくとか意識するとマジでほんと何なんですかねこれは。専門用語的なものを多用したり、事前知識として分かるだろ的な端折りをすると理解の可不可がめっちゃ浅いところで発生するから、仕方ないっちゃ仕方ないんだけど。
やりきれない。また再トライしたい。
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